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頸椎椎間板ヘルニアの治療・手術ガイド » 【治療編】頸椎椎間板ヘルニアの気になるQ&A » 手術が必要になる基準は?

手術が必要になる基準は?

頸椎椎間板ヘルニアの手術を受ける基準と、頸椎ヘルニアに似た痛みが発する病気を紹介しています。

首の椎間板ヘルニアを手術する基準とは

首のヘルニアになった場合、どのような状態になると手術が必要なのでしょう。明確な基準は設けられていませんが、一般的には日常生活に支障が出るような症状が出た場合、手術を勧める病院が多いようです。

下記の表は、頸椎椎間板ヘルニアになった場合、一般的に症状が進む順序を表しています。

【1】首や肩に症状が現れる 首が痛い、肩がこる、背中が痛い、胸が痛い
【2】腕や手に症状が現れる 腕が痛い、腕がだるい、手がしびれる、手に力が入らない、手がむくむ
【3】頭部にも症状が現れる 頭が痛い、目の奥が痛い、目が疲れる、耳鳴りがする、めまいがする、ふらつく
【4】下半身に症状が現れる 脚がつっぱる、歩きにくい、歩行困難、尿のコントロールができにくい、失禁してしまう

上記の【2】以降のように、手足の感覚異常、手指の動作ができない、足がもつれる、尿意がコントロールできない、強い痛みが続くなどの場合です。また、手や足の指などに麻痺がある場合は、早めの対応が必要です。これは手術を先延ばしにすることで、脊髄の神経細胞が死んでしまうためです。

ただし、ヘルニアではない頸椎周辺の病気が原因でも、似たような症状が多くみられます。そのため、病院では様々な検査を行い、別の病気でないか調べます。そこで次に頸椎椎間板ヘルニアと間違いやすい病気についてもまとめてみました。

ヘルニアに似た症状の病気

頸椎症

椎骨や椎間板が加齢により変形して、痛みが現れます。初期症状は肩のこりで、次第に手や指の痛みやしびれなどが現れるため、ヘルニアと間違えやすい病気です。消炎剤などで痛みをコントロールし、理学療法などで治療していきます。骨の老化が原因で、40代以上の人に多くみられます。

むちうち(頸椎捻挫)

交通事故などで大きな衝撃を受けることで、頸椎の周りの筋肉や神経が傷つき、痛みが現れます。強い首の痛みや吐き気、頭痛などの症状が出ます。損傷の程度によりますが、症状が出て1ヵ月ほどはコルセットなどを使用して安静にし、薬物療法や理学療法を受けます。

胸郭出口症候群

重い物を持つ職業の人や若い女性に多くみられる病気です。鎖骨と胸骨の間にある神経や血管が圧迫されることで、腕や手、指などのしびれた痛みなどの症状が出ます。

緊張性頭痛

発作的な偏頭痛とは異なり、じわじわと痛みが続く頭痛です。後頭部から首筋にかけて痛みが現れ、肩こりも伴います。成人の約2割がこの病気を持っていると言われるメジャーな病気です。原因は主にストレスだと言われています。

手根管症候群

親指、人差し指、中指の3本半の指が痺れます。朝起きると手が痺れるといった特徴的な症状があります。手を振ったり、指を曲げ伸ばしすると症状が楽になります。原因は不明とされていますが、女性ホルモンの乱れによる滑膜性の腱鞘のむくみが原因と言われ、妊娠・出産期や更年期の女性に多くみられます。消炎鎮痛剤やビタミンなどの薬物療法がメインで、重度の場合は手術も行われます。

五十肩

50歳代を中心とした中年以降に多い病気です。肩関節周囲の組織が加齢により退行することで強い痛みが現れます。体の片側にだけ発症することが多く、腕を上げる途中に痛みがなく、上げきった時点で痛みが起こることが多いとされています。

痛みは2週間でピークを迎え、回復していきますが、半年ぐらい続くことも。同じ側が再発したり、反対側で発症することも少なくありません。理学療法、薬物療法、運動療法が用いられます。