頚椎椎間板ヘルニアの症状がまだ初期段階の場合、医師から「安静」を指示されることが多くあります。安静とはできるだけ首に負担をかけない、つまり首にかかる頭の重さをいかに軽くするかを意味します。ここでは、頚椎椎間板ヘルニアの「安静」のための方法を紹介します。
頚椎カラーと呼ばれる、首を固定する装具で頚椎の安静を保ちます。数日間の頚椎カラー装着で症状がやわらげば、4~8週間装着します。注意点として、頚椎カラーを長期間装着すると頚部の筋肉が萎縮することがあり、痛みが長く続く原因となる場合があります。医師の指示のもと、正しい使用をするようにしましょう。
頚椎椎間板ヘルニアは、首に過度な負荷がかかることで発症します。首を酷使する格闘技やラグビーの選手、上ばかりを見る電線の仕事や教師などの職業では多く発症しています。しかし、首に負荷がかかるのは仕事中だけではありません。日常生活のなかで首への負荷を防ぐためのポイントを紹介します。
特にデスクワーカーは注意が必要です。長時間同じ姿勢を続けていると、首の骨や神経が圧迫され、壊れたり傷ついてしまいます。30分に1度は首をぐるぐる回すなど、固まらないようにしましょう。
スマホやPCを長時間見続けるのも首に負荷がかかります。うつむくような姿勢で長時間いると、やはり首に負担がかかります。
首を酷使するスポーツは避けるようにします。首に負荷がかかるスポーツはたくさんあり、水泳・ゴルフ・格闘技・ラグビー・テニスなど。また、自転車やジョギングもおすすめできません。安静時のスポーツは極力避け、正しいストレッチやウォーキングなどに留めておきましょう。
睡眠中も首に負担がかかります。自分に合った枕を使用することで、首へのダメージを防ぐことができます。
枕の高さ
仰向け寝で顔に5度前後の傾斜がつき、肩口から頭が10~15度の傾斜がつくことが理想です。また、首筋が枕とフィットしていることも重要です。
タオル枕を試す
巻いたバスタオルを枕として代用する方法です。巻き具合を変えることで高さの調節ができます。
頚椎カラーにより首の動きが制限されますので、寝返り時の首への負担を減らすことができます。睡眠中も頚椎カラーをすべきかどうかは、担当の医師に必ず確認しましょう。
頚椎椎間板ヘルニアで「安静」を指示された場合、自己流や自己判断ではかえって首を痛めることがあります。必ず専門家や医師の指導のもとに正しい「安静」をとるようにしましょう。
また、安静など保存療法を続けていても症状の改善が見られない場合は、根本的な治療である手術治療が必要になります。