首や肩などが痛んだりしびれたりする頸椎椎間板ヘルニアは、なぜ発症してしまうのでしょう。その原因をまとめています。
頸椎椎間板ヘルニアの原因は大きく分けて、椎間板の老化、ケガ、悪い姿勢が挙げられます。
人間の身体は20歳を過ぎると、徐々に老化していきます。椎間板も同じように老化し、水分が減って弾力性がなくなるためダメージを受けやすくなります。頸椎椎間板ヘルニアは40代から増えるというデータがありますが、最も大きな要因は加齢による椎間板の老化だと言われています。
また、鞭打ちなどの首のケガもヘルニアの原因となります。スポーツなどで大きな力がかかるのも同様です。大きなケガをすると急性ヘルニアの症状を引き起こすこともありますが、ほんの小さな傷が遠因となることもあります。首を痛めたことがある方は注意が必要です。
さらに、首に負担がかかる姿勢を長時間続けることで、髄核が徐々に圧迫されて椎間板ヘルニアになることもあります。首を沿った状態やうつむき加減などの姿勢で仕事をするのも原因になります。悪い姿勢は首だけでなく背骨全体のゆがみにつながるため、日ごろから正しい姿勢を心掛けることはとても重要です。
日頃の姿勢や年齢など、頸椎ヘルニアにかかりやすい人の特徴をまとめてみました。
- デスクワーカー
同じ体勢でイスに座っているなど椎間板へのダメージが蓄積しやすくなります。
最近はパソコンの画面の位置が適切でないために、首の骨が変形するストレートネックの方が増えているそうです。
ノートパソコンの場合は画面の位置を高くするなどして、首への負担を減らすことを心掛けましょう。- 運動不足の人
首の筋肉は自然のコルセットでもあります。運動不足によって首回りの筋肉が落ちると、椎間板に負荷がかかりやすくなります。
そのため筋力が落ちるお年寄りにはヘルニアに悩む方が多くいます。- 首にケガをしたことがある人
首の打撲、捻挫などケガをした場合、椎間板に傷がついている可能性があります。
なんらかのショックにより髄核が出てきてしまうことがあるので、注意が必要です。
椎間板ヘルニアは髄核や繊維輪の破壊の状態によって大きく2種類に分けられます。
一つは大きな負荷がかかることで繊維輪にひびが入り、髄核が出てきた“脱出型”です。急激な痛みが出るのが特徴ですが、適正な治療を受けることで早期に治る傾向にあります。
もう一つは長期間の圧迫で繊維輪が変性して突出した “膨隆型(ぼうりゅうがた)”です。繊維輪が変性してしまった状態なので症状は長期に渡りますが、脱出型よりも痛みは軽いことが多いようです。