頸椎椎間板ヘルニアになった場合、初期症状としてどのような変化があるのでしょうか。詳しく解説します。
代表的な症状として挙げられるのが次の3つです。
これらの症状が現れた場合、頸椎椎間板である可能性を疑ってみましょう。
何となくしびれを感じるようになり、ヘルニアの症状に気づく方もいます。初期の段階ではほとんど痛みやしびれを感じることはないので、こういった症状が現れた場合には初期段階から少し進行しているサインです。
なかでも特に痛みを感じやすいのが首で、ほんの少し首を後ろに反らしただけで激痛を感じることもあります。ただ、痛みやしびれといった症状が出るのは椎間板が変形し、はみ出した髄核が周辺の神経を圧迫した時となっているので、これが起きなければ症状は出ません。
頸椎椎間板ヘルニアの代表的な症状として首や肩の痛み・しびれが知られていますが、これがないからといって頸椎椎間板ヘルニアではないとは判断しないようにしましょう。
なんとなく肩こりがひどくなったと感じるようになり、「最近仕事が忙しかったからな」と放置していたところ、状態が悪化してしまったという方もいます。
肩こりも頸椎椎間板ヘルニアの代表的な初期症状です。ただ、ほとんどの方は肩こりを感じたからといってすぐに頸椎椎間板ヘルニアを疑い、病院に足を運ぶことはないでしょう。
多くの方は何かおかしいと感じながらもなかなか病院には行かず、耐えられない痛みが発生してから診断を受けています。
他に、肩こりではなく、肩への激しい痛みを感じることも多いです。
腕や手のしびれに関しては、箸を使ったり、本のページをめくるといった作業が難しくなり、異常に気づく方が多いようです。
突然しびれが発生することもありますが、多くのケースでは徐々にしびれがひどくなってできないことが増えていく形となります。
また、初期症状を感じてから数日~数週間の間で急速に進行することも珍しくありません。
そもそも椎間板とは何か?というと、これは背骨を繋ぐクッションの役割をしている部分のことです。この椎間板は中心部に弾力を持った組織である「髄核」と、これを閉じ込めている強力な線維組織の「線維輪」で成り立っています。
通常、髄核は外に出ない状態になっているのですが、何らかの理由によって線維輪に亀裂できてしまうと、そこから中にある髄核が押し出されてしまうのです。
すると、飛び出した髄核(椎間板)が周辺にある組織を圧迫してしまい、頸椎椎間板ヘルニアの症状である痛みやしびれといったトラブルが発生します。
同じ頸椎椎間板ヘルニアでも、肩に痛みがあるという方もいれば、足がしびれるなど全く違う症状が現れることがあります。
この理由は、椎間板がどのように飛び出し、どこの神経などを圧迫しているのかが人によって違うためです。
例えば、頚部痛のほか、片方の肩や腕、手などにしびれや痛みなどを感じているというのは椎間板が後外側に飛び出している場合の症状となります。他にも、腕や両足のしびれなどが起きた場合には椎間板が後方正中に飛び出し、脊髄の本体ともいえる部分を圧迫している状態です。
このように、どのような形で椎間板が飛び出すのかによって症状が変わります。
参考: 徳洲会グループ:脳神経外科の病気:頚椎椎間板ヘルニア
- 「学生時代、部活動でスポーツをしていました。その際に片方の足にしびれが出たのですが、それほど痛みはひどくならず。結局病院にも行かず、その後10年ほどは問題がありませんでした。
ところが、急に足がしびれるようになり、痛みもひどくなって日によっては5分も立っていられないほどに。MRIを撮って頸椎椎間板ヘルニアと診断されましたが、まずは安静を保ち、自然治癒を目指すことにしました。
運良くしばらくすると状態も落ち着き、現在は特に問題なく過ごせています。」- 「何となく背中に痛みを感じていましたが、鈍痛なのでしばらく放置してしまいました。ですが、2、3日経っても良くならず、整形外科を受診。
最初にレントゲンを撮りましたが特に異常はなく、その後MRI診断を受けて頸椎椎間板ヘルニアと判明した次第です。手術をするとリハビリも含めて考えて長くかかること、負担も小さくないことを説明されて手術はしないことに。痛み止めを処方してもらったので、しばらく様子見です。」- 「腰痛を感じていましたが、そのうち治るだろうと思って放置。ところが、3ヶ月以上経っても良くならないどころか、激痛で座ることもできなくなりました。痛み止めを処方してもらったものの、今度は脚にしびれを感じるようになり、麻痺もひどくなったため手術を決断。
入院費用は20万円以上かかり、2ヶ月近い入院をすることになりました。初期症状が出た時点で早めに病院に行けば良かったと反省しています。」
ご紹介してきたように、頸椎椎間板の初期症状は、痛みや肩こり、しびれなどです。これらの不調は少し疲れただけでも発生しますよね。
そのため、放置してしまう方が非常に多いのです。
ですが、頸椎椎間板の初期症状と思われる症状が現れた場合、放置するのはおすすめできません。なぜなら、自覚症状があるのにそれを放置してしまうと更に症状が悪化してしまう恐れがあるからです。
中には、「病院に行ってもほとんどが手術ではなく保存的療法だから、病院に行っても行かなくても同じ」と考えている方もいるでしょう。
しかし、頸椎椎間板の症状によってはすぐに手術が必要な場合もありますし、保存的療法を取り入れるにしても痛みを抑えるための薬を処方してもらえたり、できるだけ不調を感じないように対策を取ることができるのです。
頸椎椎間板ヘルニアが悪化した簡易、脚がしびれてうまく歩けなくなったり、箸がうまく持てないような状態になってしまうこともあります。
日常生活に支障をきたすことも珍しくないので、症状が進行する前に早めに診断を受け、必要であれば治療を開始しましょう。
特に足にしびれや歩行障害を感じている場合には脊髄が圧迫されている証拠です。これを放置して歩けなくなったりすると大変ですよね。
このようなケースでは手術が必要になることが多いのですが、状態が悪化してから行なう施術と、初期段階で行なう手術では大変さも変わってくるので、医師に専門的な診察をしてもらいましょう。