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頸椎椎間板ヘルニアの治療・手術ガイド » 【治療編】頸椎椎間板ヘルニアの気になるQ&A » 手術費用の目安や相場は?

手術費用の目安や相場は?

セルフケアや保存療法に取り組んでも頸椎椎間板ヘルニアの症状が治まらない場合は、手術を検討するべきかもしれません。頸椎椎間板ヘルニアの手術にはどのような種類があるのでしょうか。また、どれくらいの費用が掛かるのでしょうか。一般的な手術方法と手術にかかる費用の目安を紹介します。お悩みの方は参考にしてください。

頸椎椎間板ヘルニアの治療は、保険診療と自費診療の2つがあります

ざっくり分けると以下のような分類となります。

保険診療
(3割を負担)
消炎鎮痛剤などの薬剤による治療、整形外科による理学療法(一部の治療には期間制限等あり)、ブロック注射(回数制限等あり)、一部の内視鏡手術、切開手術
自費診療
(全額自己負担)
レーザー治療、一部の内視鏡手術

レーザー治療の費用

身体にかかる負担が少ない頸椎椎間板ヘルニアの減圧手術として注目を集めているのがレーザー治療「PLDD」です。それぞれどのような手術なのでしょうか。

PLDD法は、問題を抱える椎間板に針を刺してレーザーを放出することにより髄核の一部を蒸発させて空洞を作る治療です。空洞ができることで、椎間板は萎縮するので神経の圧迫を取り除くことを期待できます。ただし、即効性のある治療ではありません。レーザーの照射によりできた空洞が消失する過程で椎間板は萎縮するからです。

高度な技術と最新の機器を必要とするので、日本国内で行える医療機関は少なく、また、すべての頸椎椎間板ヘルニアが治療の対象になるわけでもありません。

PLDD法の費用相場

PLDD法は最先端医療のため保険が適用されません。つまり、費用は全額自己負担になります。具体的な費用は、治療部位や治療椎間の数により異なりますが、頸椎椎間板ヘルニアの場合50万円~90万円程度が目安といわれています。治療に掛かった費用は、医療費控除の対象になります。確定申告の際に申請すると、費用を10万円~20万円ほど安くすることが出来ます。

内視鏡手術の費用

内視鏡手術では、最小限にとどめた切開部分から内視鏡を入れて、内視鏡のモニターを見ながら病変しているヘルニアの摘出手術を行います。

内視鏡手術の費用相場

費用は、手術方法や手術を受けるクリニックにより大きく異なります。保険診療の手術と自費診療の手術がありますので、注意してください。内視鏡手術の目安とされているのが保険適用後の3割負担額で25万円程度です。あくまでも目安なので、実際の費用は手術を受けるクリニックでご確認ください。

切開手術の費用

切開手術に分類されるのが、前方除圧固定術と椎弓形成術です。前方除圧固定術は頸部前面の皮膚を切開して、食道・気道などを引き寄せながら頸椎の前面に達し、頸椎の一部を削ってヘルニアを確認・取り除く治療です。骨を削った部分には腰の骨や人工物を挿入します。椎弓形成術は、頸部の後方から皮膚と筋肉を切開して椎弓をドリルで削り神経の通り道を広げる手術です。

切開手術の費用相場

前方除圧固定術の費用の相場は30万円~60万円程度、椎弓形成術の費用の相場は30万円~40万円程度と言われています。これらの費用も、手術を受ける医療機関などにより異なります。検討したい方は個別にご相談ください。

本サイトで紹介している手術とその費用目安まとめ

手術費用以外に、初診料・検査料・薬代・入院費用(差額室料)などがかかります

レーザー治療「PLDD」

局所麻酔で椎間板の中にある髄核という部分をレーザー照射で蒸散する(焼く)ことで空洞をつくり、神経を圧迫していた部分を解消する手術です。
自費診療。初回(1か所目):50~95万円 2か所目以降:15~25万円

内視鏡手術

● MECD(内視鏡下頚椎椎間板摘出手術)
全身麻酔で18mm程度の切開を行い、そこから内視鏡を入れて病変しているヘルニアの摘出手術を行います。
保険診療(3割負担として)25~30万円+入院費(差額)×入院目安5日~8日分

● PECD(経皮的内視鏡下頚椎椎間板摘出術・前方アプローチ)
全身麻酔をして首の前方から4mmほど切開して内視鏡下を挿入して2mmの小鉗子で直接ヘルニアを摘出。その後、レーザー光線で髄核の凹凸を凝縮固定化させるという手術
自費診療 130万円+入院費(差額)×入院目安2日分

切開手術

● MacF(顕微鏡下頚椎前方椎間孔拡大術)
首の前方からアプローチする顕微鏡下で行う椎間孔拡大術であり、後方アプローチでは難しいとされる、神経根を圧迫している骨棘やヘルニアをダイレクトに除去・除圧する手術です。
保険診療(3割負担として) 手術費用不明+入院費(差額)2日~5日間分

● ACDF(前方除圧固定術)
4~5cmほどの皮膚切開をして椎間板を切除し、骨棘をドリル等で取り除き脊髄・神経根の圧迫を除去。手術で削った骨の部分に、患者さん自身の骨を移植する方法です。
保険診療 (3割負担)手術費用+入院費(差額)×入院目安1~2週間分

● 頚椎椎弓形成術(後方除圧術)
首の後方から椎弓に切り込みを入れ、狭くなった脊柱管を広げて神経への圧迫を取りのぞく手術方法です。
保険診療 (3割負担)手術費用+入院費(差額)×入院目安1~2週間分


参考:『腰椎椎間板ヘルニアに対する手術療法』 Medtronic
https://www.medtronic.com/jp-ja/your-health/conditions/lumbar-degenerative-disc-disease.html

参考:『頸椎椎間板ヘルニア』日本脊髄外科学会
http://www.neurospine.jp/original24.html