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頸椎椎間板ヘルニアの治療・手術ガイド » 頸椎椎間板ヘルニアの治療法【保存的治療・対処療法】

頸椎椎間板ヘルニアの治療法【保存療法・対処療法】

比較

どう違う?代表的な頸椎椎間板ヘルニアの保存療法

頸椎椎間板ヘルニアの症状が軽いうちは、患部に外科的な手術を行わない「保存療法」を行います。これには、痛みなどの症状が出た時に行う対処療法も含みます。保存療法にはどのような方法があって、それぞれどう違うのか、比べてみました。

対応する症状レベル 軽度~中度 軽度~中度 軽度~中度 中度~重度
治療方法 ネックカラー、PC・スマホの制限、枕の工夫、軽いストレッチ、姿勢の矯正、保温など 温熱治療、電気治療、牽引治療、マッサージなど 鍼治療、お灸、整体など 消炎鎮痛剤・ビタミン剤の服用、トリガーポイント・神経への局所麻酔剤・抗炎症剤・ステロイド剤の注射
治療期間 毎日(日常的に行う) 症状により1~2週間に1回 症状により1~2週間に1回 症状による
メリット 費用がかからない
手軽にできる
副作用等の心配がない
痛みが軽減される
副作用等の心配が少ない
痛みが軽減される
副作用等の心配が少ない
強い痛みが軽減される
麻酔が切れても痛みが軽減された状態がある程度続く
デメリット 努力・我慢が必要
根本的解決にはならない
通院が必要
時間や費用がかかる
治療によっては痛みを伴う
根本的解決にはならない
通院が必要
時間や費用がかかる
治療によっては痛みを伴う
根本的解決にはならない
時間や費用がかかる
強い痛みを伴う注射もある
感染、神経障害などの副作用がまれにある
根本的解決にはならない
治療にかかる費用の目安 ネックカラーは1,000円程度からあり 保険適用
初診1,000円~2,000円程度/再診600~1,000円程度
医師の同意書があれば保険適用/適用外の例:1回5,000円程度(1クール25,000円程度) 保険適用
薬:1,000~3,000円程度
注射:初診3,500円/再診1,500円程
対応する症状レベル
軽度~中度
治療方法
ネックカラー、PC・スマホの制限、枕の工夫、軽いストレッチ、姿勢の矯正、保温など
治療期間
毎日(日常的に行う)
メリット
費用がかからない
手軽にできる
副作用等の心配がない
デメリット
努力・我慢が必要
根本的解決にはならない
治療費の目安
ネックカラーは1,000円程度からあり
対応する症状レベル
軽度~中度
治療方法
温熱治療、電気治療、牽引治療、マッサージなど
治療期間
症状により1~2週間に1回
メリット
痛みが軽減される
副作用等の心配が少ない
デメリット
通院が必要
時間や費用がかかる
治療によっては痛みを伴う
根本的解決にはならない
治療費の目安
保険適用
初診1,000円~2,000円程度/再診600~1,000円程度
対応する症状レベル
軽度~中度
治療方法
鍼治療、お灸、整体など
治療期間
症状により1~2週間に1回
メリット
痛みが軽減される
副作用等の心配が少ない
デメリット
通院が必要
時間や費用がかかる
治療によっては痛みを伴う
根本的解決にはならない
治療費の目安
医師の同意書があれば保険適用/適用外の例:1回5,000円程度(1クール25,000円程度)
対応する症状レベル
中度~重度
治療方法
消炎鎮痛剤・ビタミン剤の服用、トリガーポイント・神経への局所麻酔剤・抗炎症剤・ステロイド剤の注射
治療期間
症状による
メリット
強い痛みが軽減される
麻酔が切れても痛みが軽減された状態がある程度続く
デメリット
時間や費用がかかる
強い痛みを伴う注射もある
感染、神経障害などの副作用がまれにある
根本的解決にはならない
治療費の目安
保険適用
薬:1,000~3,000円程度
注射:初診3,500円/再診1,500円程

軽度の頸椎椎間板ヘルニアなら保存療法から

ヘルニアは自然に治ることもあります。そのため痛みの急性期を過ぎたら、一般的には保存療法や理学療法を行い経過を観察します。

強い痛みがでる急性期(2~3週間)の保存療法は、消炎・鎮痛剤などの薬物療法がまず行われます。この時に痛みをとるブロック注射を行うこともあります。 急性期を過ぎたら、温熱療法や低周波治療、ストレッチなどを行います。 それでも痛みが続く場合は、平行して牽引療法等の理学療法も行うことがあります。また、整体や鍼灸などで効果が出ることもあります。

どのような症状の人に適しているの?

頚椎椎間板ヘルニアの保存療法は、ヘルニアが脱出しているなど重度な症状が見られない人や、痛みやしびれなどの症状が現段階では小さい人。また、初めて頚椎椎間板ヘルニアの治療をするという人に適しています。

椎間板ヘルニアというと症状が重く、手術をしなければ治らないと考えてしまう人も少なくありません。 しかし、薬物療法や牽引療法などを続けることで症状が緩和されたり、ヘルニアが縮小したという事例はとても多いです。 これまで治療を受けたことがないという人は、まずは保存療法から入るケースがたくさん見られます。

日本整形外科学会における椎間板ヘルニアの診療ガイドラインでは、緊急な場合を除き、有効だと判断した保存療法を3ヶ月行った後に手術を進めることが推奨されています。

保存療法のリスクについて

保存療法のもっとも大きなリスクは、治る場合でもかなりの時間が必要となることです。 保存療法を受けてすぐに痛みが緩和される、歩けるようになるということは難しいので、定期的に病院に通って治療を続け、少しずつ症状の改善を目指す形になります。

このため、症状が改善したと自覚できるまでには数ヶ月から1年以上かかることもあるようです。

手術を行わなければならないほど重度な症状は意外と少ないといわれていますが、手術を要する重度な症状でも、まずは保存療法から入るという病院がほとんどなので、無駄な治療を受けていると感じてしまう人もいるかもしれません。

また、保存療法は手術と比較すると体への負担は少ないですが、合わない方法を取り入れてしまうと効果が出なかったり、症状が悪化するなどのリスクがあります。特に牽引療法は頚椎椎間板ヘルニアの場合、症状の悪化を招く恐れがあるので正しい診断をした上で行わなければなりません。

体に負担がかからないからと適当な治療をするのではなく、医師がしっかりと診察と診断を行い、適切な保存療法を指定することが重要です。

3か月ほどこれらの保存療法を行っても症状が改善せず、悪化するようなら手術も検討されます。また、保存療法は効果が出るまで時間がかかります。痛みに耐えられない方、症状が重い方、完治を目指す方、早く社会復帰したい方は、信頼のおける病院で「手術」を受けることをお勧めします。

頸椎椎間板ヘルニアの手術治療には
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